全身の健康は、良い腸内環境から

健康とは、「全身の細胞のすみずみまで、質の良いきれいな血液が流れている状態」を指します。美しく健康であることは多くの女性の願いですが、そのための最重要ポイントが腸内環境です。100種類以上、100兆個ともいわれる腸内細菌の中で、善玉菌を優勢に保つことが良い腸内環境の維持につながるといえます。しかし、生活習慣の変化や食生活の乱れ、ストレスなど、腸内環境の悪化から腸の蠕動(ぜんどう)運動※が低下。便秘を訴える人の数が、年々増加しているといわれています。
腸内環境が悪化すると、栄養素の吸収と不要物の排出が妨げられるばかりか、悪玉菌が作り出す有害物質が血管から再吸収され、肌荒れや免疫力の低下、さらに生活習慣病や大腸がんのリスク上昇を招くことも。最新医療の現場では、あらゆる分野の医師や研究者が、腸内環境と疾患の関係性を研究するようになっています。

※胃や腸などの消化管が内容物を移動させる動き

きれいな腸に欠かせない食物繊維

腸内美化のために大切なもののひとつに、食物繊維が挙げられます。食物繊維には、水溶性と不溶性の2つのタイプがあります。

腸内での食物繊維の働き

不足しがちな食物繊維を効率よく摂るには

日本人の平均摂取量は戦後間もない頃と比べると約半分になり、男女とも目標量※を下回っています。とくに精白された穀類が多く、野菜が少ない現代の食事では食物繊維が不足しがちです。このところ腸内環境が悪化している人が増加しているのも、実は食物繊維の摂取量が少ないのが一因といわれています。食物繊維はゴボウや豆、芋類のほか、手軽に食べられるシリアルやドライフルーツにも豊富に含まれています。

日本人の食物繊維摂取量の推移

※池上幸江 日本食物繊維学会誌Vol.1(1997)
国民健康・栄養調査 より
※日本人の食事摂取基準(2015年版)
食物繊維目標量:18歳以上 男性20g、女性18g

ヨーグルトと食物繊維は、美腸に導くゴールデンコンビ

食物繊維のほか、ヨーグルトも腸に良い食品と言われます。なぜでしょうか?ヨーグルトは乳酸菌(※)で牛乳を発酵させた食品です。ヨーグルトに含まれるたんぱく質や脂質、糖質は発酵によって吸収されやすい状態になり、腸を健康に保ちます。さらに乳酸菌が腸内の善玉菌の増加を助けます。
ヨーグルトと食物繊維は美腸のゴールデンコンビと言うべき組み合わせで、一緒に摂ることにより、腸内環境の改善に高い効果を発揮します。シリアルとドライフルーツ、ヨーグルトを合わせれば、ヨーグルトとたっぷりの食物繊維をおいしく摂ることができて、おすすめです。
※糖を分解して乳酸を作り出す細菌の総称

あなたも今日から、腸内美化を始めましょう

腸は栄養吸収と老廃物排出のほかに、ストレスや免疫力にも深く関わっています。従って心の安定や元気な身体、そして美肌を実現するには、腸内環境の改善が欠かせません。腸内美化の方法は今日から始められることばかりです。まずは3つの方法を実践。おいしさを楽しみながら、その良さを実感しましょう。

腸内美化の方法

コップ1杯の水を飲み、朝食を食べることで腸の動きが活発になります。

30分程度のウォーキングを、週に3~4回行いましょう。

たんぱく質・脂質・炭水化物の3大栄養素をバランス良く。
食物繊維やヨーグルトなどの発酵食品をしっかり摂ります。

プロフィール

小林暁子(こばやしあきこ)

医療法人社団順幸会理事長、小林メディカルクリニック東京院長。医学博士。